先述第17章〖陽子の構成粒子〗によれば、陽子は半径およそ10-15m程度の空間内で円運動を行う電子によって形成されているものと推論される。ということは、陽子を形成する円運動電子は、いずれにしてもその円軌道に沿って拡張し一つの輪に結ばれたリング状の電子になっているはずであり、そのリング状電子には、やはり円環状の回転拡張場がまとわり付くようにこれを覆っている(図ⅰⅱ)はずである。
このリング状電子は、10-15mという極めて小さな空間を、非常な高速度で円運動する電子※によって形成されているのであるから、その電子が一つの輪としてリング状につながったとき、その半径は、どこまでも際限なく無限にみるみると拡張すると考えてよいはずである。
※{第17章✧陽子の質量と静止エネルギーを参照}
すると一個の陽子は、よりミクロからの視点によれば円運動を行う電子によって形成され、その円環状拡張場をまとったリング状電子は無限にみるみると拡張しているのであるから、これらをよりマクロからの視点に切り替えて捉えたときの一定の大きさと質量をもつ陽子は、それを取り囲む三次元空間が無限にみるみると収縮していくといった、クーロン力としてのより強力な収縮場(図ⅲ)を持っていることになる。
右上図は、陽子を構成する円運動電子が1個であるものと仮定したときのイメージ図であるが、実際の数量については理論的に2個であるものと断定される。
なぜならば、パウリの排他律を考慮して、陽子を構成する円運動電子の数が2個であるものと仮定した場合には、互いに逆回りに回転する拡張場が持つそれぞれの磁気モーメントは相殺されて、その値はゼロとなるものの、対となった電子のエネルギーはより低く安定したものとなり、一個の陽子としてもきわめて不活性ではあるが、ゆえにこそ非常に安定した堅牢な状態になっている、といったことが考えられるからである。
すなわち、一個の陽子が円運動を行う二つの電子によって構成されているのであれば、その対となった二つのリング状電子を覆っているそれぞれの拡張場の回転は、一方がその円軌道の進行方向に対して右ネジ回転(磁気モーメントのベクトルは下向き)であるならば、他方は必ず左ネジ回転(磁気モーメントのベクトルは上向き)をなすものと考えられる。すると、二つのリング状電子が持つ磁気モーメントは互いに打ち消し合い相殺されて、結果的に、一個の単独な陽子※が持つ固有の磁気モーメントは、本来はゼロ(下記🔷を参照)であるということになる。
※{原子内に取り込まれず、かついかなる外部磁場にも関わらない自由陽子。}
ところで、再三述べるように、本論における回転拡張場の円周の長さとド・ブロイ波長λは同一である。ならば、これに加えて陽子が右図のような内部構造を持ち、しかもその構成電子の数が2個であるという場合には、その半径rpはどのように導出されるであろうか。
まず、右図におけるその円環状に一つの輪に結ばれた回転拡張場の半径rであるが、これは
r= λ/2π
=(h/mv)/2π
と表すことができ、これはさらに
r=ℏ/mv ※{ℏ=h/2π}
と表すことができる。
また第17章で述べたように、陽子を構成する円運動電子が2個であるときのγは918であるから、円運動電子の速度、すなわち質点化されたリング状電子が円運動するときの速度vは、
β=v/C ※{ここでは厳密に光速度C=2,997 924 58×108 m/sとする。}
=√[ 1-(1/γ2)] ※{ガンマの値についてもより厳密にγ=918,076 3365 とする。}
=0,999 999 406 784 424
∴v=2,997 922 801 584 443×108 m/s
と算出される。
この場合に、その一つの電子の全エネルギーは、いずれにしてもE0γと表わされるのであるから、その質量は
m=E0γ/C2 ※{E0=8,187 105 77×10-14J }
=(8,187 105 77×10-14)×918.076 3365/(2,997 924 58×108)2
=8,363 109 609 475 346×10-28㎏
と求めることができる。
したがって、円環状拡張場の半径rは、
r=ℏ/mv ※{ℏ=1,054 571 817×10-34 J }
=(1,054 571 817×10-34)/(2,507 195 701 152 647×10-19)
=0,420 618 070 381 9638×10-15m
と導出されるが、この円環状拡張場の直径2rの長さは、そのまま陽子の半径rpに等しいのであるから、その値は
rp=r×2
=0,841 236 140 763 9276×10-15m
と求めることができ、すなわち、本理論において陽子を構成する円運動電子の数が2個である場合の陽子半径は、
約0,841 236 140㎙(フェムトメートル)
であるということができる。
この陽子半径0,84123614㎙という値は、2010年のミューオン水素を用いた陽子半径の測定値 0,84184(±0,00067)㎙
と誤差の範囲内で一致する。
この場合に、そのミューオン水素による陽子半径がより厳密に測定導出された確かなものであり、かつこの一致が単なる偶然によるものではないとするならば、このことは本論における陽子半径導出に至るまでの一連の考察が、少なくとも単なる一推論の域にとどまるものではなく、むしろその正当性をより確かなものとして保証し証明しているものといえるはずである。
《前章でも述べたように、水素原子内の陽子と、その周囲に展開するリング状電子との間には、何もないただの空間があるわけではなく、そこには光速度Cで回転する円環状の回転拡張場が存在する。
この場合に、水素原子の中心に位置する陽子と、これを取り囲むリング状電子の円環状拡張場とは、相互に作用しているものと考えられ、上図の円環状拡張場が作り出している下向きの磁気モーメントが、陽子内の互いに逆回りに回転する対になった二つの電子(陽子を構成するより小さな二つのリング状電子※)に作用して、その上向き磁気モーメントをもつリング状電子の磁気モーメントは減少するが、逆に下向き磁気モーメントをもつリング状電子の磁気モーメントは加算されるものと考えられる。
※{以後は、陽子を構成するより小さなリング状電子を略して「小リング電子」と記すものとする。}
するとそれまで相殺されていた磁気モーメントゼロの陽子には、その増加分と減少分の差に等しい微弱な磁気モーメントが与えられるものと考えられ、その値は陽子を取り囲むより大きなリング状電子※が持つ磁気モーメントの、およそ1/658倍(異常磁気モーメント)であるものと考えられる。
※{以後は、陽子を取り囲むより大きなリング状電子を略して「大リング電子」と記すものとする。}
一方、その大リング電子が持つ下向き磁気モーメントは、同じく下向き磁気モーメントを持つ小リング電子の作用によってその値は増大するものの、もう一方の上向き磁気モーメントをもつ小リング電子の作用がその増大分を相殺することになり、結局大リング電子が当初からもっている下向きの磁気モーメントの強さは、なんら変化していないことになる。
ところがここで、陽子のもともとの磁気モーメントは相殺されてゼロであったものが、大リング電子がその周囲に纏っている円環状拡張場との相互作用により、新規の磁気モーメントがその陽子に新たに与えられているのであるから、その新規に獲得した微弱な磁気モーメントをもつ陽子は、何ら変化のなかったはずの円環状拡張場と更なる相互作用を起こし、その摂動の連鎖により、大リング電子の円環状拡張場がもつ下向きの磁気モーメントもまた、0,116パーセント(異常磁気モーメント)増加し変化しているものと考えられるのである。》
